酵素HEPAフィルタ

エンベローブを有するRNAウイルスである、H1N1型インフルエンザウイルスでの抗ウイルス効果確認をおこない、十分な効果があるという判断が得られています。同様のエンベローブ構造を持つ新型コロナウイルスに対しての有効性も高いことが期待できます。

2020年7月現在、新型コロナウイルスを用いての効果確認はできていません。

  • JIS-L-1992:2016 にある「繊維製品の抗ウイルス試験方法」をおこなった結果、H1N1型インフルエンザウイルスを用いた抗ウイルス試験で「十分な効果あり」の結果が得られています。
  • ろ紙の繊維全体に修飾溶菌酵素を固定し、捕集した微生物(ウイルス、黴、細菌、グラム陽性菌、大腸菌など)を死滅させる効果がありますので、微生物による二次汚染を防ぎます。
  • 溶菌酵素は鳥や魚の卵に含まれ、外部からの雑菌による腐敗を防止します。人や動物の涙や唾液にあっては体内への菌の感染を防止し、細菌からの防波堤の役割を担っており、生命体には必須の物質ですので、基本的には安全な物質です。
  • 溶菌作用においては酵素そのものは消費されませんので、長期間にわたりその効果を持続することができます。

酵素による殺菌の仕組みとウイルスの性状

殺菌の仕組み

酵素フィルタの殺菌メカニズムは、ろ材に固定化された修飾溶菌酵素により、細胞の細胞壁を構成する結合部分が加水分解され細胞壁に穴があき、その穴への誘因により細胞内部の浸透圧で細胞膜が破裂して微生物は死滅します。

  • カビ類に対する作用
    カビ胞子から生長する菌糸を抑制(静菌)します。カビは胞子の状態でフィルタ内にとどまるため、実質的にはフィルタ上でのカビ増殖を抑制できます。
  • ウイルスに対する作用
    ウイルスは核酸と酵素たんぱくをもっています。現在同定されているウイルスの大半がそれらを包む糖たんぱくのたんぱく殻(エンベローブ)をもっおり、このエンベローブにあるSたんぱく質(スパイク)によって、ウイルスは宿主細胞に吸着侵入します。
    酵素HEPAフィルタはこのエンベローブを有するウイルスに対しては効果があり、エンベローブ有さないウイルスに対しては不活性化ができませんが、酵素が固定化されたろ材の上では酵素の溶菌作用によって微生物が生育できないため宿主細胞がなく、細菌ウイルスの増殖はできないので、実質的にはエンベローブを持たないウイルスであっても不活性化しているといえます。

ウイルスの基本性状

高い温度 60℃で30分加熱するとウイルスは死活する
低い温度 4℃で数週間~数か月ウイルスは死滅しない
pH pH5~pH9の間でウイルスは安定状態
紫外線 ただちに死滅する
X線 ただちに死滅する
  • エンベローブとは脂質と糖たんぱく質から構成される膜であり、エタノール(アルコール)などの有機溶剤によって溶けます。

抗ウイルス効果をもつエアフィルタ一覧

代表サイズのみ記載しています。ご要望のサイズ、処理風量の製品もご案内できますので、気軽にお問い合わせください。

製品型式 定格風量 初期圧損
(Pa)
捕集効率
K7CAL-aD 18m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧
K7CAL-aDS 8m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧
K7CAL-aDC 8.5m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧
KDCAL-aD 28m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧
KDCAL-aDS 12m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧
KDCAL-aDC 12m3/min 249 計数法99.99% at 0.3μm≧